2021年07月19日

大阪府知事、馬脚を丸出し

 今日7月18日は兵庫県知事選挙だった。そして、自民党と維新の会が推薦する候補が圧勝したらしい。対抗する候補者は不人気極まりない現知事の下で副知事を務めてきた当の人物だから、今回の結果は火を見るよりも明らかだった。分裂選挙になってしまった自民党はともかくとして、大阪に続いて兵庫も植民地化することにまんまと成功した維新の会としては喜色満面といったところだろう。
 
 それが理由かどうか、大阪府知事(吉村某という)が何ともエゲツナイ、まともな言語感覚と常識さえ身につけていれば決してそんな物言いはしない(できない)はずの発言を自らのtwitterに上げたらしい。ネットのニュースからその部分だけを切り取ると、

大阪府・吉村洋文知事(46)が18日、自身のツイッターを更新。全国高校野球選手権鳥取大会で優勝候補と目された米子松蔭が、学校関係者の新型コロナウイルス感染で出場辞退したことについて「鳥取の権力者の皆さん、なんとかしてあげてください」と訴えた(ネット上のスポニチの記事)。

ネットの記事はもう少し続くが、中段を省略して、その後はというと、

 吉村知事は、[米子松蔭の]西村主将の投稿に反応し「これで終わり、はあまりに酷すぎる。対策は見つけられるはずだ。この高校生の想いを大人が潰しちゃいけない。これで終わり、なら将来に夢なんて持てないよ。鳥取の権力者の皆さん、なんとかしてあげてください」とツイッターで呼び掛けた。

 おそらく、世の中の大半の人々は、維新の会を支持するしないにかかわらず、この大阪府知事を嫌悪するしないにかかわらず、球児たちを救いたいという大阪府知事の呼びかけに対しては、野球部に関係のないところでの感染者発生が理由で出場辞退に追い込まれたことを知れば、どちらかと言えば同情を寄せるのだろう。そして、この発言を「エゲツナイ」とか「非常識かつ不謹慎この上ない」とか「一読しただけで吐気さえもよおした」という愚生の方こそ「かなり変な奴」とか「維新憎さのあまりに頭が沸騰した奴」ということにされてしまうのかもしれない。

 しかし、明確に断言できるのだが、自分自身が「府知事」という立場にいる人間が「権力者の皆さん、なんとかしてあげてください」と公言してしまうのは正にガリヴァー的不条理だ。こんな時代錯誤な妄言を許してしまう現在の風潮も恐ろしいことこの上ないが、ともかく、こんな失言、暴言、妄言を堂々と口にできる権力者というのも、「恐ろしい」を通り越して、形容すべき言葉が本当に見つけられない。ただ、気持ち悪く、吐気がする。

 こうまで言っても、おそらく多くの人々はピンと来ないかもしれない。(そうでなかったら、こんな下品な知事はとっくに免職しているはずだから。)何がそんなに気持ち悪いのか、簡単に言えば、権力者が自分(たち)のことを自分で「権力者」と公言するところが先ず気持ち悪い。彼が具体的には誰のことを想定して「鳥取の権力者の皆さん」と呼びかけたのかは知らないが、その「権力者」の中には鳥取県知事も当然含まれていることだろう。ということは、大阪府知事も当然「権力者」だから、彼は自分のことを自分で「権力者」と自称したということだ。もちろん知事は権力者だ。しかし、もしも首相なり知事なりが(内心ではそう確信しているにしても)「私は権力者です」と自己紹介する姿を想像してみて欲しい。それがどれほど下品かつ傲慢に映ることか。

 しかし、もう一つ、今回の大阪府知事の発言をいっそう気色悪いものに感じさせる真の理由は、「知事なり県の野球連盟の会長のような『権力者』ならこの問題を解決できる、いや、この問題を解決できるのは我々のような『権力者』だけだ」と暗に宣言している点にある。物事の政治的決定に有効な働きかけができるのは、PTAによる嘆願でもなく、高校生のデモでもなく、まして世論の声でもなく、「権力者」の鶴の一声なんだそうだ。こうした考えには、「主権在民」とか「民主主義」とか「住民自治」なんてものはその影すら見えない。そして、きっと彼はそういう考えで大阪の日々の行政を司っているのだろう。

 権力者、はい、権力者様、恐れ入りました。これでは丸っきり隣国の独裁者たちの戯画だね。道理で吐気がするわけだ。(H.H.)

 


posted by 冬の夢 at 00:52 | Comment(0) | 時事 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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