2019年08月25日

宇宙人の携帯電話をひろったこと

 湘南のある海岸。
 砂浜を歩いていて、こんなものを拾った。おとなが持つと、手のひらにちょうどおさまるほどの三角形の石だ。

 海は面白い浸食作用を持っている。固いものが長い間、波にもまれたり砂に削られたりすると、角が取れていく。瓶のカケラは宝石になり、道路工事の砂利が古代の勾玉になる。
 砂浜にころがっているのは、もちろん美しいものばかりではなく、こんなものがなんで砂浜にあるんだというような海洋ゴミの断片も多い。また最近のアウトドアパーティやオートキャンプの流行と関係があるのか、夜逃げの跡のような生活感のあるゴミが、放置されていたりもする。
 もっと執拗にそれらを観察し、真上から写真に撮り、その写真を直立させて絵画のような鑑賞形態にするシュルレアリスム的シフトを行うと、東松照明の「インターフェース」の自分バージョンが作れると思うが、そういう根気はなく、浜辺の砂から顏を出す、さまざまなものを眺めながら散歩している。

 それら浜の品々を、コレクションする趣味もないわけだが、この石は、なんとなく拾ってきた。
 色や質感、重さからして、装飾レンガかガーデニング用の敷石だろうと思いつつ、番手を変えながら紙ヤスリで磨いてみたら、昔の特撮ドラマにでも出てきそうな、通信機のようになった。大きさも、高齢者向け携帯電話か、モバイルルータくらいだ。

 耳に当ててみると、なるほど、宇宙の音がする。
 静かな所で「デンワスル」しないと聞こえないが、シー、サ、サ、サ、とラジオの雑音のような音が聞こえている。
 マイクにあたる部分に、うまく角度がついてもいて、「デンワスル」のにちょうどいい。
 なんてなことを書くと、ちょっと危ない人になってしまうが、いつか、あちらから「デンワ」がくるかな、と思いながら、この宇宙人の落しものを、クローゼットの隅に立てかけている。
 地球人用の携帯電話には、ろくでもない用件しかかかってこない。その用件を解決するために出かけていくと、スマホと専用アプリを持っていないと、なんの用も果たせなかったりする。(ケ)

190825pH.JPG

※『E.T.』 1982年
20周年版トレイラーは→こちら←(0:35〜)

 
posted by 冬の夢 at 12:58 | Comment(0) | 日記 旅・徘徊・発見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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