2019年06月11日

フルサイズデジタル一眼レフで撮ったのに、またしてもデジタル一眼レフを買わなかったこと【改】

 デジタル一眼レフは持っていないのに、プロやベテランアマチュアが使うようなフルサイズ一眼レフでの撮影、しかも印刷用データを渡す、依頼された撮影という機会が、とつぜんめぐってきた。
 撮るものは、芸者さんの踊りの会と、料亭さんなどの店構え。カメラもレンズも借りもので、使ったことがない機材が届いた翌日の撮影だ。おい! だいじょうぶか!

 フィルム一眼レフは使ったことがあるし。デジタル一眼レフも初めてではない。
 が、もう何年も一眼レフで撮っていない。
 芸者さんの踊りも、お店の構えも、撮ったことはあるが、ハイクラスのコンパクトカメラでだ。
 そのときはプロカメラマンの友だちにデータ納品の要諦を教わり、とくに問題なく終わった。今回も、ほぼ同じ注文だから、同じコンパクトカメラでいいが、頼まれて撮る機会がまたあったら、フルサイズ一眼レフと専用高級レンズでと決めていた。

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 プロでなく料金もなし、と了解されていても、小さいカメラで撮ると、それで写るんでしょうか的な、微妙な雰囲気になる。本格的一眼レフが登場しないと、安心して任せられないらしい。
 フルサイズ一眼レフと高級レンズなら、どんな商業写真にも充分な性能だろうから、依頼撮影はそれで撮ろう、早く買って慣れよう、と思った。
 しかし、ずるずると買うのを見送り続け、頼まれた撮影もハイクラスのコンパクトカメラで続けてしまった。

 ハイエンドなデジタル一眼レフは買う気になれなくて。
 このブログにも、修辞的な屁理屈で書いたことがあるが、つまり使う機会はわずかなのに──趣味では使わない──数年で新製品が出て古びてしまうカメラに、多額投資はつらかった。
 今回は、こころよく貸してくれる知人がいたので、使わせてもらうことに。

      ■

 ヘリクツ抜きに、初めてフルサイズデジタル一眼レフで、納品前提に踊りや店構えを撮ってみた結果は。
 やはり、ちょっと無謀でした!

 ふだん使っているカメラと同じメーカーの機種だから、機能に迷わないだろう、というのが甘かった。
 撮影前にした設定は問題なく、RAW現像も間違えていないはずだが、ピントがどこに来ているかよく分からないコマが案外あり、感度は無理上げしていないのにノイズが出たコマもある。設定が撮影目的に合っていなかったのか、カメラ+レンズが予想以上に重く、ブレているのか。
 さいわい、速写力がすごいカメラなので、たくさん撮れていて、使えるコマが拾えて助かった。
 設定項目の細かさに慣れ、自分で設定を追い込めるようになれば、やはりデジタル一眼レフは高級なほど「無敵」かもしれない。

 ──というはずなんだが、そうもいいきれない面もあった。
 撮影者、つまり自分のせいだとは思うが……。

 今回のようなプロ向け一眼レフでなく、ふだん使うコンパクトカメラで、芸者さんが踊るのを初めて撮ったときは、まっ青になった。
 カメラの反応が遅すぎ、あせっているうちに踊りが終わってしまう。
 そこで、カメラの設定を失敗が起きにくい値に固定しておき、モニタは見ずに舞台を見て撮った。
 日本舞踊も歌舞伎のように「見得」というかどうかは知らないが、それが来そうなとき、シャッターを押す。
 書いて説明すると、えらく高度なようだが、歌舞伎や文楽を見ているせいか「見得」はボンヤリ予測できる。そこで動きがちょっと止まるから、シャッターのタイミングさえ合えば「型」は写る。あとで必要十分な画質に気をつけトリミングだ。邪道ですけど。

 ならば今回使った、秒間何コマも連写でき、ピントや露出も追随する一眼レフなら、画面全体にバッチリ被写体をとらえられたか?
 どうもうまく撮れていない。
 さっきの「見得」の近辺で、シャッターを押しっぱなしでバシャバシャ写すが、写ってほしかった瞬間が思ったより抜けてしまっている。演目がひとつ終わったところで確認していて気づき、つぎの踊りからはシャッターの押しっぱなしはやめた。

 ただし、この問題は、撮る自分の気持ちも大きいかもしれない。
 押した! 写った! という「自分のバットでヒットを打った」感が、カメラまかせの連写では感じにくい。本当はちゃんと写っているのに、写してない気がしている、ということもありそうだ。
 ついでに、写りには関係ないが静音モードが静かでないのも困った。主催者の半纏を着て撮っていて、お客さんもスマホなどで舞台を写してもいい会だけれど、やはり気を使い、連続シャッターはやりにくかった。

      ■

 この撮影が無事に終わった後、ひさしぶりにカメラを買った。
 フルサイズの撮像センサーを搭載したカメラだ。
 といっても一眼レフでもミラーレスでもない。またしても、デジタル一眼レフは買わなかった!
 というのも、カメラがどうだこうだと理屈をこねる前に、フルサイズデジタル一眼レフは使うのをあきらめるしかない事態に、陥ってしまった。

 貸し主が親切に、複数の交換レンズやストロボ、充電器二台など、フルセットをカメラ用リュックに入れておいてくれたのだが、それを背負って歩き回った結果、みごとに背中や腰にきてしまった。
 それどころか、大きいズームレンズでずっと撮ったせいか、手首と前腕がメッチャ痛い!

 カメラには重量感、すなわちズシッとくる存在感を求める派で、金属外装製のカメラ礼讃者だった。プラスチック外装のパクパクしたカメラは、「おもちゃ」だとバカにしていたクチだ。
 借りて使ったフルサイズ一眼レフは、もちろんアルミシャーシにマグネシウム合金外装。カメラに「持ち重さ」を求める派には理想の「重量感」ではある。
 ところが、ズームレンズと合わせて約一・五キロが、たちまち腕に「きて」しまい、セットを背負って運んだら足腰がやられるしまつ。そういう年齢、筋力になっていたのだ。
 なんとカメラのほうから、「あなたには無理ですよ」といわれてしまったのである。(ケ)

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*二〇二〇年二月一〇日、すこし直しました。管理用

posted by 冬の夢 at 01:40 | Comment(0) | 写真 カメラ・写真家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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