2016年07月19日

ドイツのヒット歌謡「Schlager」って知ってるかい──歳をとるごとにリスニング機器縮小(改)

 音楽好きなのに、音楽を聴く機器や環境は貧弱だった。
 都区内の手ぜまな集合住宅に住んだことしかないからだ。
 平日の帰宅は深夜。蚊の鳴くような音量でしか聴けない。休日は疲れが出て音楽を聴く気になれなかった。
 オーディオマニアではなく、高級機は宝の持ちぐされだ。だから安い機器ばかり使い、壊れたら買い換えた。最後に使ったセットは引っ越しで片づけたきりで、もう使っていない。

 このブログの別の筆者は、かなりのヘッドホンマニアで、いったいいくつ買う気だ! と叫びたくなるほど、こだわって集めている。
 確かに高品質なHPアンプとヘッドホンがあれば、オーディオセットはいらず、近隣への迷惑対策に悩むこともないが、居室ではヘッドホンは使わない。
 耳回りの圧迫感もさることながら、閉じ込められた感じがしてつらい。とくに夜は怖い。周囲の音も多少聴こえる「オープンエア」タイプでもダメ。その心理の説明はむずかしいが、室内でヘッドホンをして音楽を聴くのは苦手だ。

       ♪

 引っ越しさきは下宿(居候)暮らし。仕事をやめたので、いつでも音楽を聴けるが、階下の大家さんに配慮し、小型CDラジカセを買った。いまラジカセは、ほとんど店頭売りされていない。
 人気の米某社のブルートゥーススピーカーを別の友だちからすすめられたが、ディスコのような音が夜中の自室に合わず、値段もするのでやめていた。

 はじめは、シャープの携帯電話「IS01」でFMトランスミッターが使えると知って、ネットラジオをわざわざラジカセのFMラジオに飛ばして聴いたりしていた。
 IS01は、販売終了のデッドストックが爆安で売っていたので、電話なしのネット検索やメモ書き用にするつもりで買ったが、あまりにも使いづらくて投げ出していたもの。
 
 ラジカセのラジオに自分で「放送」するのは面白かったが、すぐに、ソニーのアンプ付きスピーカーをパソコンに直結して聴き出した。
 パソコンベースで聴くのなら、本格的にネットワークを導入したり、音の出口にこだわったりすれば、高級アナログオーディオに匹敵するデジタルオーディオの世界が始まるわけだが、パソコンの音声端子に、安いパワードスピーカーをつけて小さい音で聴くだけ。とにかく音楽を聴くためにセッティングするのが面倒くさい。ジジイになるとはこういうことかと、われながら呆れた。
 しかし、いくらなんでも侘しいので、若干でも音質をよくする方法はないか試行錯誤してみた。

       ♪♪

 まず導入したのは、オーディオエンハンサー。
 無料ダウンロードで使えるソフトウェアは「DFX Audio Enhancer」しか見つからず、無料だと使える機能に制限があるが、一聴してびっくり。これはいけるかも! 
 プラスチック製の安い、ポータブル機器向けスピーカー特有の、鼻をつまんだような音のこもりや、かさつき、音場のせまっ苦しさが、嘘のように取り払われる。小さい音でもメリハリがついて聴こえ、しかも、すっきりした音が出る。イコライザーソフトで周波数域を調整する方法では無理だった。感動ものだ(二〇一九年十一月現在、この技術を使った『FxSound』というソフトになっています)。

 ところが「DFX Audio Enhancer」の無料版は、ひんぱんに購入勧誘メッセージがパソコン画面に出る。音楽を聴きながら書いていたりすると、ひどくじゃまだ。
 だったら買えばいいのだが、そのうちにこのソフトを通した音が、しんどくなってきた。最初はえらく感動したが、そのうちにカーステのような、あるいはテレビのシアターモードのような、ハリボテっぽさが耳につくように。きわめて弱く効かせれば問題なさそうだし、エレキギターのエフェクター(エキサイターなど)になじんだ身に抵抗感はないが、どうも、飽きがくる音なのだ。
 メモリ消費量が「Windows Media Player」の半分以下で、使いやすくて無料というmp3プレイヤーソフト「1by1」を見つけて気に入り、プラグインを追加してCDも聴けるようにしたので、組み合わせて聴きたい気もしたが、すべてやめてしまった。
 歳をくって面倒くさがりになったからって、再生音にここまで無関心になったとは。スタジオ録音より実演のほうが好きなので、CDもライブみたいな大きい音で聴かないと、なんて言っていたのに、いまは大音量は「うるさい」と思ってしまう。
 いったい自分は、どうなったのだろう。

       ♪♪♪

 音楽を聴く装置のことはともかくとして、最近、ネットラジオで朝によく流す音楽ジャンルにも「年波」が来ているような気がする。

 それは「Schlager(シュラーガー)」だ。ご存じですか。最近までまったく知らなかった。
 ドイツのポップス、ドイツ語のトップ40みたいな歌謡曲だ。ドイツ語圏では当たり前に知られているジャンルだろうと思う。毎年秋には、ハンブルグで「Schlager Move」という数十万人を集める大イベントがあるのだ。Schlager をガンガン流す「花バス」がゾロゾロ通って盛り上がっている(ハンブルグ市の公式アカウントでその様子が見られます)。
 英米でも売れたり知名度がある音楽ではなくて、ドイツ語ローカルなのだが、ドイツ語地域なら受け入れられるだろうから、愛好者数や関連売上はものすごいはずだ。それが「EU」ってことでもある。実際ドイツ以外の国でも「Schlager」を放送するネットラジオが多々ある。

160713sg.JPG 
「RADIO SCHLAGER PARADIES」 www.schlagerparadies.de
ドイツ南西部ザールラント州の、フランス国境に近い町のネット局。
典型的かつコンテンポラリー(たぶん)な schlager が聴けます。


 ネットラジオで「Schlager」を聴き続けていても、ドイツ語のアナウンスはわからないし、歌手もバンドも、誰ひとりとして知らない。
 日本の演歌のように基本の曲風があるかどうかも不明だが、どことなく「オクトーバーフェスト」の雰囲気を思い出す、ややヤボったくて明朗な曲が多い感じだ。
 ドイツ民謡なのか、乾杯ソングなのか、ああいう「ヨッホホイ」みたいな感じの歌を全員でがなりながらビールをガブ呑みするのは大嫌い──驚いたことに最近では日本でもオクトーバーフェストをやっている。世も末だ!──なので「Schlager」のほとんどが苦手な音楽であることに、間違いはない。なのに、なぜかついつい聴いてしまう。
 
 もう、ずいぶん以前のことだが、仕事でドイツに行かねばならなかったとき、ひどくつらくて、朝は部屋のテレビでドイツ民謡がBGMの、お天気チャンネルを流していた。なんだか元気が出るような気が、しなくもなかったもので。
 そのときのことを思い出してだろうか。よくは、わからない(ケ)

Originally Uploaded on Jul. 20, 2016. 00:40:00
■二〇一九年十一月二十二日、手直ししました。管理用


posted by 冬の夢 at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 オーディオ・楽器 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く:ペンネーム可・アドレスは表示されません
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック