2015年11月26日

スティービー・ワンダーとクルマでカラオケ!

「もう一度、聞きますけど、本当に運転、大丈夫ですよね、僕、ちょっと心配で……」

 と、番組ホストのジェイムズ・コーデン。
 ニヤニヤしながら運転席に坐っているのは誰あろう、スティービー・ワンダー!

「免許は持ってるよ」
「ほ、本当に」
「え〜と、あれ、ないな!」(ポケットをさぐる)
「後ろの荷物に入れてるんですか」
「いや……君、私のポケットをいじらなかったかね」

 このかんイギリス人のコーデンの英語のマネで話し続ける御大に、コーデンが「その訛り、やめてくださいよ!」と叫び続ける、爆笑のオープニング。(下段で番組クリップを見ることができます

 米CBSの人気トーク&バラエティ番組「レイト・レイト・ショー」の司会者が十年ぶりに交代となり、イギリスのコメディ俳優、ジェイムズ・コーデンが今年春から四代目ホストになった。アメリカでは知名度がなかったコーデンだが、ゲストとのトークをそつなくこなし、番組の五年追加契約をものにしている。
 話題のコーナーはこの「Carpool Karaoke」。カープールつまり「あいのり」ですね。クルマをころがしながらのトークは日本の深夜バラエティ番組でもおなじみだが、世界的なスターがコーデンの運転するクルマに「あいのり」し、軽いトークをしながら自分のヒットナンバーを歌いまくるという企画だ。
 
 席を代わったコーデンがスタートさせた車内に響きわたるのは「迷信」のあのイントロ! いきなり爆唱モード! そりゃそうだ! スティービー・ワンダーって軽くカラオケで歌ってくださいという設定でも、あの歌い方なんだと納得! ハーモニカも吹く!

151129sw.jpg CBS

 夫が今日の仕事でスティービー・ワンダーといたとは信じてくれそうにない、コーデンの嫁に電話。

「やあジュリアっ! イギリスから電話してるスティービーだ。君が知ってるスティービー・ワンダーじゃないよ!」

 と笑わせるスティービーは、『I Just Called to Say I Love You(心の愛)』を「I just called to say James loves you」と、コーデンの嫁に電話で歌って聞かせてあげる。運転席のコーデン、思わず涙ぐむ。そりゃあそうだろう!
 となりの席で軽くハーモニカを吹くスティービーにむかって、何か教えてもらえませんか、とハーモニカを取り出したコーデンが、「だめ、だめ、絶対にハーモニカにはさわるな」とマジで叱られる(笑)場面(その後、スティービーはぽつりと『ハーモニカは私のためのものなんだ……』とつぶやく)などをおりまぜ、車内では『Sir Duke(愛しのデューク)』『Isn't She Lovely(可愛いアイシャ)』などが歌われる。とてもひさしぶりに聴いたけれど、こりゃコーデンじゃなくとも唄いたくなるわ! 昔はちょっと苦手だったスティービー・ワンダーの曲の明朗さって、くやしいような気もするけど、新鮮だ。

「ロサンジェルスの交通事情は悪夢のようですけど、あいのりしていると、気分がぜんぜん違いますね」
「私も楽しかったよ、いっしょに乗る友だちが必要なのさ、私たちには」
「ええ」
「仕事だって必要だ。連絡してくれ」
「マジですか」
「連絡してくれ」

 ということで最後は「人生で初めて、ぼくを必要としてくれる、ぼくの夢をかなえてくれる人に出会えた」という曲『For Once In MY Life』で終わる。

 CBSのテレビスタジオがあるロサンジェルスで収録しているせいか、あまり車のスピードを出さずに(コーデンがゲストに渋滞を詫びる場面がよくある)コーナーがやれるということもあるし、太めで愛嬌のあるコーデンの親しみやすさも功を奏した。この回はスティービー・ワンダーの公演プロモーションも兼ねている。
 テレビ番組だから、いろいろな仕立てがあるわけだが、それでも、こちらまでがキモチよくなる「そと歌」(車内カラオケだけれど)は、ひさしぶりだ。
 おもてで、明るく楽しく歌を歌う、ということがなくなったのは、いつごろからだろうと、ちらほら調べていた。カラオケのせいで人は「そと歌」をしなくなったのではないかと。そうしたら逆にこの「カラオケ」企画を見つけたというわけ。
 
 パリでの事件直後、フランス人が集まって国歌を唄う様子には違和感がある、という意見をいくつか聞いた。
 自分が見たニュース映像では、夜、現場に置かれた花の周囲にロウソクを灯し、あまり数多くない人たちが手をつなぎ、ボソボソと唄っていた。
 その歌詞と曲調のように愛国と戦意を昂揚しようという唄いかたには見えなかったが、放送のされかたからは、献花献灯をし国歌で〆という「手順」に見えるので、同じことを東京で「君が代」で、と思うと確かに違和感はある。

 わたしたちが明るく爽やかに、手をとり肩を組んで「そと歌」を歌ったのは、いつのことだったろう。自分の経験した「そと歌」には、どことなく偽善がまとわりついていて、愉快な記憶がない。
 わたしが生まれる前だと、戦後民主主義を、それこそ「うたいあげる」ような映画のハイキングなどの場面に出てくるけれど、あれも偽善だったのだろうか。
 一九四九年の初映画化版「青い山脈」。たしかサイクリングのシーンで有名な主題歌をみんなが朗らかに唄っていたのでは。自転車をこぎながら出演者が唄うのか、場面のBGMだったのかは忘れてしまっていて、また見たいから、音質や画質がよくなったリマスター版が出ているかどうか調べた。

 そのとき知った。
 原節子が亡くなっていたことを。(ケ)

 www.youtube.com/watch?v=qqrvm2XDvpQ
Originally Uploaded on Nov. 29, 2015.

posted by 冬の夢 at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 映画音楽・ソウルなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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