2015年10月01日

爆弾低気圧と「いかのおすし」

 爆弾低気圧がやってくるとは知らず、散歩に出かけてしまった秋の夕暮れ。
 びしょ濡れになったり、傘が壊れたりすると閉口だけれど、なんでもない街かどの塵が吹き飛び、汚れが流れたところへ、黒い雲のシェードをすり抜けた光が差し込んだときの美しさには、思わず立ちどまる。
 こんな天気では人影もなく通報されることもないから、傘の柄を脇ではさみつけ、カメラをかまえてああでもないこうでもないと、ふだんより熱心にシャッターを押す。

 それにしても、爆弾低気圧とかゲリラ豪雨とか、いつから当たり前にいうようになってしまったのだろう。爆弾やゲリラを、知ったうえで使われているのだろうか。
 戦争の言葉だからダメと、教条主義でいっているのではない。戦争にいったこともなければ爆撃されたこともない。
 が。
 せめていまだけは、語感がキャッチ―でないとか警告力が弱いということであっても、あえて、ぎごちなく語呂の悪い気象用語にしておきませんか。
 調べてみると爆弾低気圧は、一九八〇年代にアメリカの研究者がカテゴライズし、日本でも九〇年代ごろにその訳語として現れたが、現在も「俗語」なのだという。
 こういう言葉は大喜びで使いそうな読売新聞ですら、いや、読売の名誉のためにいっておくと、「爆弾低気圧」は「猛烈低気圧」、「ゲリラ豪雨」は「局地豪雨」と記載すると、公式発表している*1

 低気圧日こそ写真日和だとあらためて知ったのは、収穫だった。人の姿がなく、とくに子どもがいないので、不審者として捕まる心配も少ない。
 何年前だったか、ある地方都市で、親の介護用品を自転車で買いに行っていたら偶然、むかし通った中学校に出くわした。週末で学校は休みだ。
 懐かしいような気がして道路から写真を撮っていたら、驚くほどすぐパトカーがサイレンを鳴らして来て、捕まった。同じことを何度も何度も聞かれ(映画や小説でよくある訊問の手だ)、なかなか帰してもらえない。確かめると、通報があったという。
 この件については「いかのおすし」という言葉があるそうですね。これも調べてみると、十年以上前からある言葉で、警視庁と都教育庁が作ったそうだ。知りませんでした。
 ちなみに、

 みんなだいすき いかのおすし

 で始まる、「いかのおすしのうた」もある。※2
 
 しらないひとには ついていかない

 そりゃそうです、子どもの安全ってことを考えりゃ、そりゃそうですけど……。
 うっかりこの歌の動画を見たら、ごくたまにではあるが散歩のついでにふと寄ってしまう回転ずし店での楽しみ、「げそ」──どんな店でもいちばん安い皿だから懐が安心!──が、まったく食べられなくなってしまった。(ケ)
151001ps.JPG


※1『読売新聞』二〇一三年二月十九日
※2 警視庁のサイトで視聴できます。
   www.keishicho.metro.tokyo.jp/anzen/movie/11_ika/00.htm

▼関連記事「どうしてカタカナで書くのですか」はこちら

posted by 冬の夢 at 21:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 旅・徘徊・発見 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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