[作品(詩・小説)]の記事一覧

たまには詩でも #15 思い出すこと[2020/10/12]
   1 波がゆっくりと満ちるときは 比較的自由な三拍子 誰も気にしない自然で微妙なクレシェンド ときおり見せる不意打ちのような高まり ありきたりの波の戯れと戯れる人..

たまには詩でも #14 夏の夜[2020/08/31]
   夏の夜 疲れて 何もしたくないとき 箸を持つのもペンを持つのも億劫で 食べることも字を書くことも面倒くさいとき できることと言えば 死んだみたいに眠ること..

小説:二人だけの話 #4 (最終回)[2020/07/28]
(これは『二人だけの話』#4です。)#3はこちら、#2はこちらで、#1はこちら。  「もしかしたらだけど、妊娠しちゃったかもしれない」  今日子は努めて冷静な口調で..

小説:二人だけの話 #3[2020/07/26]
(これは『二人だけの話』#3です。)#2はこちらで、#1はこちら。  大体こんな話を今日子はした。波瑠はその間、ときおりちょっとした質問はしたものの、ずっと真剣に耳を傾け..

小説:二人だけの話 #2[2020/07/25]
(これは『二人だけの話』#2です。)#1はこちら。  コーヒーとトースト、そして目玉焼きとトマトだけの、とはいえ波瑠が作ってくれた休みの日の遅い朝食を食べながら、しばらく..

小説:二人だけの話 #1[2020/07/24]
 「この曲、何? なんていうの?」  今日子はブランケットから顔だけを出して(その下はまだ真っ裸だった)、しかしすでに十分目覚めていることを示すはっきりとした口調で波瑠に尋ね..

たまには詩でも #13 2020年7月1日[2020/07/05]
    2020年7月1日 イスラエルはヨルダン川西岸の強奪を押し進め、 イスラエル人の半数近くがその悪辣非道を支持している。 中国はウイグル族やチベット族に同化政策..

夜の千切れ雲(3):人を殺した夢を見た朝の記憶[2020/06/20]
   人を殺した夢を見た朝の記憶  「また同じ夢か」  透は忌々しい気持ちで目を覚ました。いや、目覚める前から半ば覚醒した意識の中で、「また同じ夢を見ているんだな」と自..

たまには詩でも #12[2020/05/31]
※ 欧米の近代詩には「散文詩」と言われるものがある。ボードレールやツルゲーネフが有名だ。「近代化」に余念のなかった日本(人)も当然のように「散文詩」というものを書き始めた。しか..

夜の千切れ雲(2):月の光は流れる水(其の三)[2019/12/17]
月の光は流れる水(其の三) 「其の一」はこちら 「其の二」はこちら  隣の部屋とは襖で仕切れるようになっていたが、二人が入ったときには襖は開かれていた。その隣の部屋にはテ..

夜の千切れ雲(2):月の光は流れる水(其の二)[2019/12/16]
     月の光は流れる水(其の二) ※「其の一」はこちら  「それじゃ、お母さんは少しご用事を済ませてくるから、1〜2時間ばかりこちらで大人しくしていなさい。りっちゃ..

夜の千切れ雲(2):月の光は流れる水(其の一)[2019/12/15]
(やっと「夜の千切れ雲(2)」を書き終えた。といっても、特段誰かが待ち望んでいたというわけでもあるまいが……今度のお話はちょっと長くなってしまったので、三回に分けて載せることに..

たまには詩でも #11 [2019/11/16]
(本当はずっと前から「夜の千切れ雲」の第二作を載せたいと思っているのだけど、肝心の「小説もどき」がちっとも完成しない。仕方ないので--というわけでもないけれど--、その代わりに..

たまには詩でも#10 〜ファシストに捧げる〜[2019/08/04]
ファシストは自分のことをファシストとは言わない これはとても単純な事実 だから、ファシストは嘘吐きや裏切者よりもたちが悪い 嘘吐きや裏切者はときには自分が嘘吐きや裏切..

夜の千切れ雲(1) ジョウンと呼ばないで[2019/07/01]
夜の千切れ雲(1) ジョウンと呼ばないで (前口上:この同人誌的ブログを高校時代の友人たちと始めた最初の頃から、「『同人誌』というからには小説もどきも掲載されるべきだ」と..

たまには詩でも #9 [2019/03/27]
偶作 もう少し眠りたいと願う朝の清冷な空気の中で 小鳥たちはまるでケンカしているかのような騒ぎだ 毎朝のことだから それが小鳥たちの生きている証でもある ..

たまには詩でも #8[2018/07/13]
   * * * * 軒を打つ雨の音 あるいは雫の音 その小さな規則的な繰り返しに なぜ心はこんなにもかき乱されるのだろう なにひとつ思い当たる思い出も..

たまには詩でも #7[2018/01/26]
   高波 時がよどみ 思いがあてもなく溢れるとき 思い出されるのはいつも君のこと まだ高校生だった 君もそしてぼくも はじめて話しかけた ぼくの厚かまし..

たまには詩でも #6[2017/06/25]
  君の場所(1) 永遠に失われた君ともう一度話したい 心ゆくまで 夜が白々と明けそめるまで あの日からぼくに何があったのか あのときからぼくが何を考え 何..

たまには詩でも #5[2017/06/09]
悲しみ〜古いノートから アスファルトの道には足跡もつかないから 離れていく君を追う術はぼくにはなかった 記憶が蘇るというからには やはり忘れるということは 死..

たまには詩でも #4[2017/02/13]
「過去の唄」 ふり返ると過去はいつも一枚の薄っぺらな絵になっちまう 何の厚みもなく、全てが平準化 それも絵巻や間抜けに横長のパノラマなんかでなく シャガールか、それ..

たまには詩でも #3[2016/04/13]
ヘボな詩を載せるのがまだたった3回とは! 我ながらかなり驚く。 「思い出すこと」 月日は百代の過客 時間を旅人に喩えることが あの日からこんなに遠く離れてしまっ..

たまには詩でも #2[2014/09/09]
サンスイのアンプの話の続きも無論したい。それに加えて、この夏に初めて訪れた中国の広州の強烈な印象も早く書いてみたい。が、過日、10年以上振りに再会した人から、「もう詩は書かない..

たまには詩でも #1[2012/07/24]
ことばに…… 1 言葉にはもう何の力も残っていないのだろうか。 愛を語るならそれよりもお互いを見つめ、手で触れ、キスする方がもっと確かなのではないか。悲しみを表し..