[伝統芸能]の記事一覧

国立劇場二月文楽公演『傾城反魂香』 〜 錣太夫を支える人形遣い[2020/02/27]
津駒太夫が新しく錣太夫(※1)を襲名するという記念公演。チケットもお気に入りの席を確保出来て、国立劇場へ出向くと、意外にも空席が目立つ。先月から国内でも感染者が出始めた新型コロ..

新春浅草歌舞伎「祇園一力茶屋の場」 〜 米吉のおかるの色香[2020/01/23]
 年始の歌舞伎公演は、歌舞伎座・新橋演舞場・国立劇場・大阪松竹座と盛りだくさん。稼ぎどきとあって、巧みに人気役者が各劇場に配分されていて、確かに三等席はあっという間に売り切れて..

二〇一九年十月二十五、二十六日の、七年ぶりの「浅草おどり」を観にきてください[2019/08/24]
 今週末、浅草公会堂(東京・台東区)で開催される、 「浅草おどり」を観にきてください! 「浅草おどり」とは、浅草の芸者さんたちが日々、修錬をかさねた舞踊や邦楽の技芸..

歌舞伎座六月公演『月光露針路日本』 〜 歌舞伎らしくなく歌舞伎らしくもある[2019/06/26]
六月の歌舞伎座夜の部『月光露針路日本』(つきあかりめざすふるさと)を楽日の前の日に見に行った。人気作家である三谷幸喜の脚本・演出なので「三谷かぶき」の冠がついている。三谷幸喜は..

歌舞伎座四月公演『新版歌祭文』 〜 芝居を支える近松半二の台本[2019/04/21]
今月の歌舞伎座昼の部は、嬉しさと豊かさに溢れた充実のラインナップ。平成の掉尾を飾るに相応しい役者の揃い踏みと将来にわたって記憶に残るだろう出し物が愉しめる。 まずは『平成..

国立劇場二月文楽公演『壇浦兜軍記』〜 ミュージシャン寛太郎の阿古屋[2019/02/14]
二月の文楽公演は三部制。さすがに平日18時からの夜の部は空席も多く、どうせならもう一時間遅く始められないかと思ってしまう。と言うのも、一番最後の演目『阿古屋』が近年稀に見る大興..

平成の終わりに歌舞伎の三十年間を振り返る[2018/12/26]
来年五月に元号が変わる。変わることがわかっているので、いろいろな準備が先行して進んでいる。昭和の終わりは、昭和天皇の病状悪化が伝えられていたものの、存命中に昭和という時代を総括..

国立劇場十二月歌舞伎公演『増補双級巴 ─石川五右衛門─』世に盗人の種は尽きまじ[2018/12/22]
 観劇歴はたいしたことがないので、大きなことはいえないが、いかにも歌舞伎らしい演目なのでは。  二〇一八年暮れの国立劇場をにぎわせた、『増補双級巴 ─石川五右衛門─(ぞうほふ..

国立劇場九月文楽公演『夏祭浪花鑑』 〜 簑助!玉男!勘十郎![2018/09/15]
今年は災厄の神さまであるヤソマガツヒさんが、大阪を相手に意地悪をしているとしか思えない。震度六弱の揺れがあった六月の大阪北部地震、七月には台風が近畿から西日本へ逆走、そして今月..

歌舞伎座六月公演『夏祭浪花鑑』 〜 芝居を支える播磨屋一門[2018/06/29]
六月公演の千秋楽、三階席の端が空いていたので、急に思い立って夜の部を見に行くことにした。楽日だからなのかロビーは心なしか華やかで、一方向を向いている見物の視線の先に目をやると、..

国立劇場五月舞踊公演「変化舞踊」から『七重咲浪花土産』[2018/05/27]
 え! たった1回の舞台だとしたら、もったいない気がする。  東京・国立劇場、五月二十六日の舞踊公演、「変化舞踊」の後半演目『七重咲浪花土産(ななえざきなにわのいえづと)』。..

歌舞伎座三月公演 『国性爺合戦』 『男女道成寺』 『芝浜革財布』[2018/03/24]
今月の歌舞伎座は、高麗屋襲名披露公演が終わってひと息つく感じのプログラム。見物のほうも三階席で空席が目立ち、ひと休みと言ったところだが、三本ともに十分に充実した芝居だった。 ..

国立劇場二月文楽公演『摂州合邦辻』 〜 織太夫の誕生と始太夫の急逝[2018/02/21]
今月の東京文楽公演は豊竹織太夫襲名披露の記念興行。先月、大阪の国立文楽劇場で織太夫を襲名した咲甫太夫は、文楽初心者にもわかりやすい語りを聞かせてくれる若手太夫のひとりで、心密か..

歌舞伎座一月公演『勧進帳』 〜 新幸四郎の明晰な弁慶[2018/01/16]
歌舞伎座では今月から高麗屋三代襲名披露公演が始まった。今までの幸四郎・染五郎・金太郎が、これからは白鸚・幸四郎・染五郎になる。父・子・孫から祖父・父・子へ。時代とともに世代が変..

国立劇場十二月文楽公演『ひらかな盛衰記』 〜 大切なのは子か忠義か[2017/12/18]
今月の文楽東京公演は『ひらかな盛衰記』。『源平盛衰記』をやさしく紐解いたということで「ひらかな」という外題になったそうだ。ちなみに声に出して読む際は「ひらがなせいすいき」と濁る..

国立劇場十一月歌舞伎公演『沓掛時次郎』  【改】[2017/12/05]
 この舞台の違和感は、なんだったのだろう。  歌舞伎観劇歴は浅い。たくさん観ていて出来不出来がわかるわけでなく、歌舞伎用語で「ニン」という、俳優と役柄の相性も知らない。違..

歌舞伎座八月公演『野田版 桜の森の満開の下』 〜 野田秀樹が見つけた新しい相方[2017/08/27]
歴史をひもとけば、歌舞伎は義太夫狂言から時代物、世話物へとバリエーションを広げ、江戸末期と明治初期に河竹黙阿弥の芝居を通じて完成形を作り上げた。けれどもその後、西洋演劇に影響を..

歌舞伎座七月公演『駄右衛門花御所異聞』 〜 観客を動かした宙乗り[2017/07/15]
七月の歌舞伎座と言えば、ひと昔前までは猿之助一座の出番と決まっていた。先代の猿之助が病に倒れた後は、玉三郎が後を引き継ぎ、親分不在の一座に年に一度の晴れ舞台を提供すべく座頭をつ..

国立劇場五月文楽公演『加賀見山旧錦絵』〜 勝手に暴走する女・お初[2017/05/28]
文楽と歌舞伎には、大名家の相続をめぐる「お家騒動もの」というジャンルがある。『加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』は加賀藩、『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』は..

NODA・MAP『足跡姫』〜 野田秀樹から中村勘三郎へのオマージュ[2017/02/15]
歌舞伎役者が名跡を継ぐときに行う襲名披露公演。晴れ舞台では、その役者が得意にしてきた演目が並ぶことが多く、同時にその大名跡に相応しい出し物が選ばれる。 昨年秋の芝翫の場合は、..

国立劇場十二月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』十一時間ぶっ通し観劇記[2016/12/17]
8:30 自宅出発 待ちに待った文楽の忠臣蔵通し公演。通しで見るのはもちろん初めて。一日で昼の部と夜の部を続けて見るのもやったことがない。年末で仕事も忙しく、忘年会やら会合や..

国立劇場十月・十一月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』〜 面白過ぎる六段目の「勘平腹切」[2016/11/16]
国立劇場開場五十周年を記念した『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』の連続公演。大劇場では歌舞伎を三ヶ月に分けて通しで上演し、小劇場では十二月に文楽でやる。こんな大掛か..

八代目中村芝翫襲名披露 芸術祭十月大歌舞伎『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』─続「桜の枝と柊の葉」(下)[2016/11/01]
 上は→こちら← 二〇一六年十一月二日、わずかに直しました。  八代目・中村芝翫が「芝翫型」を復活させたのは、二〇〇三年。当時は橋之助。熊谷直実を初めて演じたときだ。 ..

八代目中村芝翫襲名披露 芸術祭十月大歌舞伎『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』─続「桜の枝と柊の葉」(上)[2016/10/31]
 なにごとも最初が肝心というけれど、初めて観た「熊谷陣屋」が歌舞伎だったらどうなったのかと、最初は文楽で観た派は、つくづく思っている。  中村橋之助が、亡父を襲名し八代目..

桜の枝と柊の葉 ── 国立劇場九月文楽公演「一谷嫰軍記」から「熊谷陣屋」【下】[2016/10/03]
【上】はこちら──  であるとしたら。  いかに武家のならいだとしても、ムチャクチャすぎる指令である。  それを遂行するやつもおかしい。  文楽の「時代物」は歴..