[伝統芸能]の記事一覧

歌舞伎座七月公演『駄右衛門花御所異聞』 〜 観客を動かした宙乗り[2017/07/15]
七月の歌舞伎座と言えば、ひと昔前までは猿之助一座の出番と決まっていた。先代の猿之助が病に倒れた後は、玉三郎が後を引き継ぎ、親分不在の一座に年に一度の晴れ舞台を提供すべく座頭をつ..

国立劇場五月文楽公演『加賀見山旧錦絵』〜 勝手に暴走する女・お初[2017/05/28]
文楽と歌舞伎には、大名家の相続をめぐる「お家騒動もの」というジャンルがある。『加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』は加賀藩、『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』は..

NODA・MAP『足跡姫』〜 野田秀樹から中村勘三郎へのオマージュ[2017/02/15]
歌舞伎役者が名跡を継ぐときに行う襲名披露公演。晴れ舞台では、その役者が得意にしてきた演目が並ぶことが多く、同時にその大名跡に相応しい出し物が選ばれる。 昨年秋の芝翫の場合は、..

国立劇場十二月文楽公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』十一時間ぶっ通し観劇記[2016/12/17]
8:30 自宅出発 待ちに待った文楽の忠臣蔵通し公演。通しで見るのはもちろん初めて。一日で昼の部と夜の部を続けて見るのもやったことがない。年末で仕事も忙しく、忘年会やら会合や..

国立劇場十月・十一月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』〜 面白過ぎる六段目の「勘平腹切」[2016/11/16]
国立劇場開場五十周年を記念した『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』の連続公演。大劇場では歌舞伎を三ヶ月に分けて通しで上演し、小劇場では十二月に文楽でやる。こんな大掛か..

八代目中村芝翫襲名披露 芸術祭十月大歌舞伎『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』─続「桜の枝と柊の葉」(下)[2016/11/01]
 上は→こちら← 二〇一六年十一月二日、わずかに直しました。  八代目・中村芝翫が「芝翫型」を復活させたのは、二〇〇三年。当時は橋之助。熊谷直実を初めて演じたときだ。 ..

八代目中村芝翫襲名披露 芸術祭十月大歌舞伎『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』─続「桜の枝と柊の葉」(上)[2016/10/31]
 なにごとも最初が肝心というけれど、初めて観た「熊谷陣屋」が歌舞伎だったらどうなったのかと、最初は文楽で観た派は、つくづく思っている。  中村橋之助が、亡父を襲名し八代目..

桜の枝と柊の葉 ── 国立劇場九月文楽公演「一谷嫰軍記」から「熊谷陣屋」【下】[2016/10/03]
【上】はこちら──  であるとしたら。  いかに武家のならいだとしても、ムチャクチャすぎる指令である。  それを遂行するやつもおかしい。  文楽の「時代物」は歴..

桜の枝と柊の葉 ── 国立劇場九月文楽公演「一谷嫰軍記」から「熊谷陣屋」【中】[2016/10/02]
【上】はこちら──  一の谷の戦いで熊谷直実は、「平家物語」では平敦盛を討ち取った。文楽の「一谷嫰軍記」でも討ち取り首級をあげ……てはおらず、なんと、わが子・小次郎を敦盛..

桜の枝と柊の葉 ── 国立劇場九月文楽公演「一谷嫰軍記」から「熊谷陣屋」【上】[2016/10/01]
 二度めだ。もう「うがい(嗽)軍記」とは読み間違えないぞ。  前回は、大阪の国立文楽劇場。吉田玉男の襲名披露公演※1。  今回は、東京の国立劇場小劇場※2。大阪で玉男が操っ..

国立劇場開場五十周年記念 九月文楽公演『通し狂言 一谷嫩軍記』 〜 通しで見たときの「熊谷陣屋」のすごさ[2016/09/21]
ちょうどパトリシア・ハイスミスの『太陽がいっぱい』を読んだところだった。映画の公開に合わせて日本語タイトルを幾度か変えてきた小説は、もとは"The Talented Mr.Re..

五代目中村雀右衛門襲名披露 三月歌舞伎座公演『鎌倉三代記』〜 先代雀右衛門の『野崎村』を振り返る[2016/03/27]
今月の歌舞伎座は、芝雀が五代目雀右衛門を襲名する披露公演。夜の部に「口上」がつくので普通ならそちらを選ぶところだが、あえて昼の部に行ったのは、三姫もののひとつである『鎌倉三代記..

国立劇場二月文楽公演『関取千両幟』 〜 嶋大夫引退を惜しみ、寛太郎の曲弾きを愉しむ[2016/02/19]
豊竹嶋大夫が今月の東京公演を最後に引退する。筆者が初めて文楽を見たのは大阪で『摂州合邦辻』がかかったとき。「合邦庵室の段」の切りを語ったのが嶋大夫だった。それから文楽に親しむよ..

歌舞伎座十二月公演『妹背山婦女庭訓』 〜 嬲られる玉三郎[2015/12/20]
歌舞伎座夜の部は『妹背山婦女庭訓』(いもせやまおんなていきん)。よく出る「三笠山御殿」の前に「杉酒屋」「道行恋苧環」がついた通し公演である。 つい先日、文楽で全く同じ出し物が..

歌舞伎座十一月公演 〜 堀越勸玄初お目見得『江戸花成田面影』[2015/11/19]
十一月は歌舞伎座吉例の顔見世興行。没後五十年を数える十一世團十郎が得意とした演目を並べ、「十一世市川團十郎五十年祭」とも銘打たれている。最近は襲名披露公演でも空席が目立つ歌舞伎..

国立劇場九月文楽公演『妹背山婦女庭訓』 〜 絶品!桐竹勘十郎のお三輪[2015/09/14]
今月の文楽公演第二部は『妹背山婦女庭訓』(いもせやまおんなていきん)。「金殿」で有名な四段目を通しで上演するのは四十六年ぶりということだ。 文楽を見始めて日が浅いのもあっ..

国立劇場五月文楽公演 『祇園祭礼信仰記』 『桂川連理柵』 〜 やっぱり巧い嶋大夫[2015/05/25]
今月の国立小劇場は、先月の大阪に続いて二代目吉田玉男襲名披露と銘打った文楽公演。文楽では襲名披露の口上をどうやるのかを確かめたくて、チケット発売初日の午前十時にスマホで席を予約..

二代目吉田玉男 襲名披露 国立文楽劇場四月公演 一谷嫩軍記[2015/04/28]
「約半世紀をかけて『女』から『男』へと変わります」※1──国立文楽劇場、四月の文楽公演は、人形の遣い手、吉田玉女(たまめ)が、師匠でもある初代の名を継ぎ、吉田玉男(たまお)とな..

四代目中村鴈治郎襲名披露 歌舞伎座四月公演〜これからが期待できる新・鴈治郎の『河庄』[2015/04/24]
今月の歌舞伎座は、今年一月に大阪で四代目を襲名した中村鴈治郎(がんじろう)の東京公演。三代目鴈治郎が坂田藤十郎を襲名してから九年間、空白になっていた関西の大名跡の復活である。 ..

国立劇場二月文楽公演『国性爺合戦』〜近松門左衛門の国際感覚[2015/02/20]
今月の東京での文楽公演は三部制。昨年末の『伽羅先代萩』は一日一回公演で即日完売だったのに対して、夜の部に行くと端のほうの席に空きが目立つ。演目は『国性爺合戦』(こくせんやかっせ..

文楽最凶の女、その惨行と哀しみ──国立文楽劇場十一月公演[2014/11/20]
 国立文楽劇場(大阪)の十一月公演は、開場三十周年記念公演。二部制で一部は、別の筆者が国立劇場(東京)での上演について書いている「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき..

『双蝶々曲輪日記』見比べ記〜国立劇場九月文楽公演・十月歌舞伎公演[2014/10/30]
国立劇場の今秋の出し物は、『双蝶々曲輪日記』(ふたつちょうちょうくるわにっき)を文楽と歌舞伎で連続公演するというもの。企画ものを得意とする国立劇場らしいプログラムで、これは歌舞..

秀山祭九月歌舞伎座公演『連獅子』〜踊りは踊りで面白い[2014/09/21]
今月の歌舞伎座は秀山祭。初世中村吉右衛門の俳号秀山を冠して、当代の吉右衛門がゆかりの出し物で振り返る興行だ。 新しい歌舞伎座が落成する直前に勘三郎と團十郎の二大巨星を失った後..

六月歌舞伎座公演 夜の部〜『蘭平物狂』『名月八幡祭』[2014/06/18]
歌舞伎座の夜の部を見に行った。 昨年の新装開場の賑わいもひと段落したとみえて、三階は空席が目立つ。今月は、休養していた仁左衛門が復帰して『お祭り』を踊る昼の部に注目が集まって..

七世竹本住大夫引退公演『恋女房染分手綱』〜文楽初心者の愉しみ[2014/05/23]
国立劇場で文楽『恋女房染分手綱』を見た。先月の大阪公演に続く七世竹本住大夫の引退狂言で、今月を最後に住大夫の義太夫は聞くことが出来なくなる。 『恋女房染分手綱』は「重の井子別..