2017年10月13日

選挙と言葉 第48回衆院選の秋

 夕方の首都圏郊外、私鉄線駅前。
 衆議院議員選挙目前の街頭演説から、こんな言葉が聞こえてきた。

 わたしたちは憲法を
 変えるのではありません
 見直すんです


「国民の幅広い理解を得て、憲法改正を目指します。」と公約に明示している政党の候補者だ。
 もっとも、駅頭に立った候補者本人が言ったのではない。候補者の横でマイクを握ったオバハンが言っていた。

 ふと思った。
 どの時点で、どうなれば、「幅広い理解」が得られたことになるのだろう。
 いや、これは修辞疑問というやつだ。
 つまり「憲法改正を目指します」を公約する政党および追随する諸党に、もっとも「都合がいい」状態イコール「幅広い理解」である。
 その状態が確定するのは、早くもマスコミ各社が改憲勢力圧勝と予想している、まもなく行われる衆議院議員選挙後にほかならない。選挙結果が報道の予想通りになり、参院で改憲護憲勢力が逆転するような──もちろん改憲派議員が憲法改定発議可能な3分の2議席を超えている──党派再編が起きなければ。
 
 都合がいい状態を得たい勢力が通過儀礼にしている選挙なのだから、ここしばらく、あらゆる詭弁や甘言が臆面もなく弄されるだろう。昨今の北朝鮮の動向にかぶせた恫喝も使われるかもしれない。げんに「改憲与党」の公約の筆頭は「北朝鮮の脅威から、国民を守り抜きます。」だ。有事の際に同党議員全員が最前線で吶喊攻撃して「守り抜きます」と「公約」しているわけではないので、最初の公約からして、巧妙な言葉のアヤがあるが。

 憲法を変えてもいい。
 しかし「見直す」という言葉を本気で候補者たちに言わせているのなら、せめて、あなたがたの「都合がいい」ように容易には解釈できない文言に「変えて」ください。
 この七〇年間に、国連加盟国で戦争をしなかった国は十か国に満たないそうだ。国際紛争への派兵による戦闘死者を出していない国となると、日本のほかには1つか、2つしかないと思われる。それを、国際的責任を果たしていないととるか、そんなことよりはるかに重い責任を負い、それを果たし続けているととるか。
 
 あまりにも「都合がいい」言葉づかいに、ぎくりとなって足を止めた、その向こうを候補者名を連呼する選挙カーが過ぎていく。ちょうど選挙区の境界に駅がある、東京のある地域。周囲の選挙区を見渡すと、候補者の3分の2が改憲政党候補だ。(ケ)

171014sk.JPG

※本文中の「公約」は special.jimin.jp/political_promise/
posted by 冬の夢 at 00:20 | Comment(0) | 時事 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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